前に受け取った退職金が退職金≧退職所得控除のとき
こんにちは。
今回はDCの一時金受取についてです。
加入者
前に退職金が出たときに退職所得控除を使ってたらどうなるのですか?
DC先生
前の退職金が14年以内だと退職所得控除が調整されます
加入者
調整されちゃうんですか
DC先生
はい
先に退職金を受け取って、その後14年以内に違う年にDCを一時金受取すると、退職所得控除がそのまま適用されるわけではなく調整されます。
DC先生
退職所得控除と退職金、それぞれいくらでしたか?
加入者
退職金が1,500万円、退職所得控除も1,500万円でした
DC先生
前回退職所得控除の余りはないですね
加入者
はい、退職所得控除を使い切りました
DC先生
退職所得控除の余りがある場合とない場合で計算が違うんですよ
加入者
私のような場合はどうなるんですか?
DC先生
重複期間をさしひいた退職所得控除になるんです
退職金の勤続年数と、DCの拠出期間で重複している期間があるときには、重複期間に相当する退職所得控除を差し引いて調整します。
計算手順
手順1 DCの拠出期間(端数切り上げ)から退職所得控除額を求めます。(1)
DC先生
まず今回のDCの退職所得控除を求めます
手順2 前の退職金とiDeCoの重複している期間を出します(端数切捨て)
DC先生
入社~退社の期間とDC加入のダブっている期間を求めます
手順3 重複期間の退職所得控除を求めます。(2)
DC先生
ダブっている重複期間の退職所得控除を求めます
手順4 (1)-(2)DCの退職所得控除から重複期間の退職所得控除を引いた金額を退職所得控除額とします。
DC先生
重複期間の退職所得控除を引いた分が使えます
加入者
むずかしい・・・
DC先生
具体例でみてみますね
例
●退職金1,500万円 ・・・30年間勤続(1980年に入社して2010年に退社)
●DC 500万円 ・・・10年間拠出(2001年に加入し2011年まで加入)
退職金を受け取ったときからさかのぼってみてみます。
勤続年数が30年なので退職所得控除は1,500万円となります。
退職金1,500万円に税金はかかりません。
DC先生
退職所得控除は60歳時に使い切っています
DCを受け取る際は以下のように計算します。
手順1 DCの拠出期間は10年なので退職所得控除は400万円(1)
DC先生
40万円×10年で400万円です
手順2 退職金とDCの重複期間は9年となります。
DC先生
2001年~2010年までの9年です
手順3 9年で計算する退職所得控除は360万円(2)
DC先生
40万円×9年で360万円です
手順4 (1)-(2)=400万円-360万円=40万円 手順4では40万円となりますが、退職所得控除は最低80万円受けられます。
課税所得は(500万円-80万円)×1/2=210万円となります。
税金は所得税と住民税で約32万円となります。(所得税約11万円、住民税は10%として約21万円)
加入者
DCの受け取り時には税金がとられるんですね
DC先生
はい、そうなりますね
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