退職所得控除の勤続期間通算

こんにちは。

今回は退職所得控除の勤続期間の通算についてです。

社長
わたしはDCも小規模企業共済も経営者保険も入っているんだよね
DC先生
引退後の準備がばっちりですね
社長
DCは60歳でもらえるんだよねね
DC先生
引退してなくても60歳になれば受け取れます

DCは60歳以上になれば受給できます。

引退は要件ではないので働いていても受け取れます。

社長
小規模企業共済は?
DC先生
15年以上掛けていれば65歳からもらえます
社長
こっちは65歳だね
DC先生
共済金Bということで引退していなくても65歳以上からもらえます

小規模企業共済はケースによって受取が異なります。

共済金Bとしての受取は65歳以上で、掛金を180月(15年)以上かけたケースです。

社長
どれも退職してないのに退職所得控除を使えるの?
DC先生
一時金受取の場合には退職所得控除が使えます

一時金受取の場合は、退職金を受け取るのと同じということで、「退職所得」として控除を受けることができます。

社長
経営者保険のほうも?
DC先生
生命保険を原資として会社が退職金を払うわけですよね
社長
そう、これは引退したときにね
DC先生
退職所得で退職所得控除となりますね

経営者保険は退職金の原資になるものです。

会社がこれをもとに役員に退職金を払うことができる、というもの、

つまり、引退という事実が必要です。

違う年に2つ以上もらった場合

社長
よかった、どれも退職所得控除が使えるんだね
DC先生
はい、ただ、タイミングが重要です

受け取るタイミングによって退職所得控除の計算が異なります。

社長
というと?
DC先生
勤続期間の通算です
社長
え~と、どういうこと?
DC先生
退職所得控除は勤続年数によって計算されますよね

退職所得控除は勤続年数が長いほど多くなるしくみです。

社長
たしか・・・あれ、DCもだっけ?
DC先生
DCは特殊で拠出年数を勤続年数とみなします

DCは勤続年数ではなく拠出年数を勤続年数として退職所得控除を計算します。

社長
勤続年数なら40年くらいだから、控除も大きいのかな
DC先生
そこなんです、40年フルに使えないケースがあるんです
社長
え~どんなケース?
DC先生
その退職所得が発生する前4年以内に他から退職所得をもらった場合です

別の退職所得が4年以内にあり、計算の根拠となる勤続年数に重複期間がある場合には、それぞれ勤続年数で退職所得控除をフルに計算するのではなく、重複している期間分、控除額が減額となります。

社長
フルに退職所得控除を使えないの?
DC先生
はい
社長
4年以内ね
DC先生
ただDCは特殊で14年です
社長
DCをもらう前の14年以内?
DC先生
前です

DCを一時金受取する前14年以内に退職所得がある場合には、退職所得控除の計算上、重複期間があればその期間分減額となります。

社長
ところでさ、5年あけたらどうなるの?
DC先生
通算はありません
社長
小規模企業共済を65歳でもらって、70歳以降に退職したらどうなるの?
DC先生
それぞれ40年で計算されますね
社長
DCはDCをもらう前14年が通算だったよね?
DC先生
他の退職金をもらって14年以内にDCを一時金でもらった場合です
社長
じゃあさ、DCを60歳でもらった後に他の退職金をもらう場合はやっぱり14年以内?
DC先生
原則どおり4年以内になります
社長
じゃあさ、DCは60歳で先にもらって5年あければいいんだ
DC先生
そうなりますね
社長
60歳でDC、65歳で小規模企業共済、引退の退職金を70歳にしたら?
DC先生
原則どおり5年あければ通算はありません
社長
じゃあ、この計画でいこう、70歳までは引退しない!
DC先生
ふふふ

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2件のコメント 退職所得控除の勤続期間通算

  1. 菊地直人 より:

    会話形式が、分かりやすいですね。

    さて、「重複期間」がよく分かりません。
    「DCは拠出年数を勤続年数(a)」とのことですね。前年以前にもらう退職金については、「入社以降の実際の勤続年数(b)」でしょうか?それとも、「退職金額から計算される勤続年数(40万、20年~70万)(b)」でしょうか?
    さて、重複期間とは、aとbのどの部分を指すのでしょうか?
    実際の勤続年数 より、a+bが長い場合、この長い部分を指すのでしょうか?

    • 宮一 幸子 より:

      菊池様
      コメントありがとうございます。
      DCの場合には拠出年数ですが、通常の退職所得は勤続年数なので入社時からとなります。
      平成1年(30歳)に入社して平成30年(60歳)に退社した人が退職金1500万円をもらったとしましょう。
      勤続年数は30歳から60歳までの30年として退職所得控除を計算します。
      退職所得控除は(40万円×20年)+(70万円×10年)で1500万円です。
      退職金1500万円は税金がかかりません。ここで退職所得控除を使い切っています。
      この人が平成20年(50歳)から平成30年(60歳)まで確定拠出年金に加入し62歳で一時金として受給したとしましょう。
      この場合、拠出期間は50歳から60歳までの10年間です。
      拠出年数だけでみれば40万円×10年で400万円ですが
      平成20年~平成30年までの10年間は前に退職金を受け取ったときに使った退職所得控除の勤続年数とまるまる重複しています。
      重複期間は10年。40万円×10年=400万円は重複してしまうので退職所得控除を使うことができません。
      ただし、退職所得控除は80万円の最低保証があります。

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