厚生年金基金の解散後はどうしたらいい?
こんにちは。
今回は厚生年金基金解散後の選択肢についてです。
2014年に厚生年金基金を原則廃止とする改正法が施行され、厚生年金基金の解散が進んでいます。
厚生年金基金は積立不足だと解散に
厚生年金基金は、公的年金の上乗せ給付を行う企業年金です。
お金を運用して年金原資を増やして年金を支払うことを行うので、元手となるお金が多いほうが運用益を出すことができます。
そのため、本来厚生年金加入者が国に納めるべき厚生年金保険料の一部を受け取り、それに独自の掛金を加えて、それを元手に資産運用を行ってきました。
その後、時代は変わり、運用環境が悪化して期待どおりの利回りが達成できず、代行部分の積立金さえ割り込む基金が続出しました。
そのような背景から、2014年4月以降新たに厚生年金基金を設立することは認められなくなりました。
既存の基金についても5年の移行期間のうちに原則として解散または代行返上することが求められています。
運用状況が良好な基金の場合には継続も認められていますがその条件は厳しくなっています。
残余財産の活用を選択しなくてはいけない
厚生年金基金の解散は、代行部分の資産を国に返還したうえで、残余財産があれば、加入者や受給権者に分配します。
会社として厚生年金基金の解散後の後継制度は用意されていません。
残余財産の扱いは本人の選択に委ねられることになります。
(運用状況により残余財産がない場合もあります)
選択肢は2つ
次の選択肢は2つあります。
企業年金連合会に移換するか、脱退一時金を受け取るかです。
企業年金連合会に移換すると一定の利率がつく
解散したあと、残余財産分配金を企業年金連合会へ移換して将来企業年金連合会から年金として受け取ることができます。
これを選択すると今現金で受け取ることはできません。
運用は企業年金連合会がするので一定の利率がついて増やすことができます。
いったん企業年金連合会に移換し、企業年金連合会からiDeCoに資産移換することもできます。
iDeCoの加入者の資格を取得してから3ヵ月以内に、移換元の企業年金連合会に移換を申し出ることが必要です。
脱退一時金は一時所得になり手取りは少なくなる
厚生年金基金の残余財産分配金を脱退一時金として受け取ると、一時所得となります。
一時所得の計算は、(収入金額 – 必要経費 – 50万)です。
ここでは必要経費は発生しませんので50万円以上の場合には課税所得になります。
一時所得は半分が課税対象となります。
給与所得以外の所得合計が20万円以下の場合は確定申告は不要です。
残余財産を脱退一時金で受け取ると税金の負担があります。また現金なので使ってしまうこともありがちです。
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