選択制:社会保険料が下がって注意することは

こんにちは。
今回は選択制DCで社会保険料が下がる影響についてです。
社会保険料が下がるということは給付額も下がる影響がでます。
厚生年金額の減少の影響
選択制の活用により標準報酬月額や標準賞与額が下がるということは将来の厚生年金額の減少につながります。
厚生年金保険の金額は本来の計算式は
{毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)} ×0.5481% × 加入期間
です。
厚生年金額への影響は…「掛金額×0.5481%×拠出期間」と考えてみましょう。
たとえば月2万円の拠出を10年継続した場合、老齢厚生年金が1年間で13,154円減少します。
傷病手当金への影響
傷病手当金は健康保険からの給付です。
病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
傷病手当金の金額は
標準報酬月額 ÷ 30日 × 2/3
ですので、傷病手当金への影響は…「掛金 ÷30日 ×2/3」となります。
たとえば月2万円を拠出した場合、1日あたり444円の傷病手当金が減少します。掛金を賞与から拠出するときには影響はありません。
出産手当金への影響
出産手当金とは、出産のために会社を休み、給与の支払いが受けられなかった場合に健康保険から支給される手当金のことをいいます。
出産手当金の金額は
標準報酬月額 ÷ 30日 × 2/3
ですので、出産手当金への影響は…「掛金 ÷30日 ×2/3」となります。
たとえば月2万円を拠出した場合、1日あたり444円の出産手当金が減少します。掛金を賞与から拠出するときには影響はありません。
基本手当(失業給付)への影響
基本手当とは雇用保険の被保険者だった人が、定年や倒産、自己都合等により離職し、失業中の生活を心配しないで、新しい仕事を探し、1日も早く再就職するのを支援するために支給されるものです。
基本手当の金額は
{給与や手当(賞与は除く)}÷ 30日 ×50~80%
ですので、基本手当への影響は…「掛金 × ÷ 30日 × 50~80%」となります。
たとえば月2万円を拠出した場合、1日あたり333円から533円の基本手当が減少します。掛金を賞与から拠出するときには影響はありません。
育児休業給付への影響
育児休業給付金は、育児のために休業するママやパパに対して、その生活を支援するための給付金です。育児休暇の期間中は会社から給料が発生しないため、代わりに雇用保険から支給されます。
育児休業給付の金額は
{給与や手当(賞与は除く)}÷ 30日 ×50~67%
ですので、育児休業給付への影響は…「掛金 ÷ 30日 × 50~67%」となります。
たとえば月2万円を拠出した場合、1日あたり333円から446円の基本手当が減少します。掛金を賞与から拠出するときには影響はありません。
介護休業給付への影響
介雇用保険の被保険者で一定の条件を満たす方が、職場復帰を前提として家族を介護するために介護休業を取得した場合に支給される給付金です。
介護休業給付の金額は
{給与や手当(賞与は除く)}÷ 30日 ×67%
ですので、介護休業給付への影響は…「掛金 ÷ 30日 × 67%」となります。
たとえば月2万円を拠出した場合、1日あたり446円の介護休業給付が減少します。掛金を賞与から拠出するときには影響はありません。
デメリットもふまえてトータルメリットを考える
「掛金をかけると税金や社会保険料が下がる効果」と「運用益が非課税になる効果」から「給付額が下がる影響」をさしひいたものがトータルのメリットです。
たとえば給与40万円の40歳の人が月2万円積立てたとすると、デメリットをさしひいても113万円のトータルメリットになります。さらに480万円の年金資産が築けます。
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