住宅ローン控除がある人はメリットがないって本当?
こんにちは。
今回は住宅ローン控除とiDeCoについてです。
「住宅ローン控除を受けているので、iDeCoをすると控除枠が減るからiDeCoはやらない」という人がいます。
iDeCoの掛金は「所得控除」なので途中の課税所得を下げることで結果的に所得税と住民税が安くなります。
住宅ローン控除は「税額控除」なので最後に税金を直接的に下げます。
控除できるのは税額までなのでiDeCoで税額が下がると控除枠が下がるように思いますが、住宅ローン控除は所得税から控除しきれなかったら住民税からも控除できるのです。
住宅ローン控除は住民税からの控除もある
以下の3つの例をみてみます。
税額>住宅ローン控除額 の場合
<iDeCo加入前>
- 課税所得…300万円
- 所得税額…20万円・住民税額…30万円
※住宅ローン控除…15万円 → 効果:所得税5万円・住民税30万円
<iDeCo加入後>
- 課税所得 276万円(300万円-24万円)
- 所得税額 18万円・住民税額 28万円
※住宅ローン控除…15万円 → 効果:所得税3万円・住民税28万円
iDeCoを活用しても税額>住宅ローン控除額で、税額から控除額を引けるので単純に税金を少なくできました。
税額<住宅ローン控除額の場合
<iDeCo加入前>
- 課税所得…300万円
- 所得税額…20万円・住民税額…30万円
※住宅ローン控除…24万円 → 効果:所得税0円・住民税26万円
<iDeCo加入後>
- 課税所得 276万円(300万円-24万円)
- 所得税額 18万円・住民税額 28万円
※住宅ローン控除…24万円 → 効果:所得税0円・住民税22万円
税額<住宅ローン控除額 すでに上限額に達している場合
<iDeCo加入前>
- 課税所得…200万円
- 所得税額…10.2万円・住民税額…20万円
※住宅ローン控除…30万円 → 効果:所得税0円・住民税6.4万円
iDeCo加入前は住宅ローン控除によって税金は0円(10.2万円‐30万円)。
このとき使い切れなかった控除枠が▲19.8万円ありますが、使い残しを住民税に使える上限額は課税総所得金額等の7%(136,500円を限度)となります。
この例では136,500円です。住民税額は6.4万円(20万円-136,500円)です。
<iDeCo加入後>
- 課税所得 194万円(200万円-6万円)
- 所得税額 9.7万円・住民税額 19万円
※住宅ローン控除…30万円 → 効果:所得税0円、住民税5.4万円
iDeCo加入後は所得税額は0円(9.7万円‐30万円)。使い切れなかった控除枠が▲20.3万円ですが使えるのは上限の136,500円なので、住民税は5.4万円(19万円-136,500円)です。iDeCoにより、住民税が1万円(6.4万円-5.4万円)少なくなりました。
住民税まで上限いっぱいに控除を活用している人でも、所得控除で税金が少なくなっています。
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