企業型DCの事業主返還制度って

こんにちは。

企業型DCの事業主返還制度についてです。

社長
こないだ、会社を1年で辞めた従業員がいてさ
DC先生
1年でしたか
社長
DC導入したら、そんな社員にも掛金払うなんてもったいないよね

DC先生
早期退職者にかけた掛金を返還するよう規約で決められますよ
社長
そんなこと決められるの?

DC先生
事業主返還というんです

事業主返還は加入者が早期に会社を辞めた場合に、事業主掛金に相当する部分の全部または一部を会社に返還する規約上のルールのことです。

会社ごとに規約で定められる

社長
それはいいね

DC先生
法律で認められているんです

確定拠出年金法(第3条第3項第10号)では、会社が勤続3年未満で企業型の加入者資格を喪失した者に対して、事業主返還を定める場合には返還資産額の算定方法を規約で定めることとされています。

社長
規約でどんな風に決めるの?

DC先生
たとえば対象者は会社ごとにいろいろです

一般的に規約に定められているのは
①勤続年数の要件(勤続3年未満であること)

②退職事由(自己都合退職・諭旨解雇・懲戒解雇の場合など)です。

社長
退職金だってさ、勤続3年以上からになってるもんね

DC先生
会社のルールにカスタマイズできますよ

たとえば、「勤続3年未満の自己都合退職・諭旨解雇・懲戒解雇の者は事業主返還するものとする」というように決めることができます。

加入期間でなく勤続期間のこと

社長
DCの加入期間が3年未満ってこと?

DC先生
いえ、あくまで勤続3年未満のことです

たとえば退職した人がDC加入期間は3年未満であっても、会社の在籍期間が3年以上である場合には事業主返還の対象となりません。

法律で定められているのはあくまで勤続3年未満の人です。

懲戒でも勤続3年以上は認められない

社長
長期勤続者でも懲戒なら返還の対象?

DC先生
懲戒解雇であっても勤続3年未満でないとダメなんです

たとえば退職した人が懲戒解雇による退職であっても、勤続年数が3年以上である場合には事業主返還の対象となりません。

運用で掛金が目減りした場合

社長
運用で増えた場合には増えた分も返還しろとは言えないよね

DC先生
その場合には掛金相当額だけ返還するよう決められます

たとえば

①会社が掛けてきた事業主掛金累計額が50,000円とします。

②事業主掛金累計額に応じた資産額が53,000円とします。(3,000円増えていたとします)

事業主返還額は①と②の少ないほうで50,000円とするというように決めるのが一般的です。

運用で掛金が目減りした場合

社長
運用で元本割れしていたら、埋め合わせして掛金相当分を返還城とも言いづらいな

DC先生
その場合には残高相当分だけ返還するよう決められます

たとえば

①会社が掛けてきた事業主掛金累計額が50,000円とします。

②事業主掛金累計額に応じた資産額が47,000円とします。(3,000円目減りしていたとします)

事業主返還額は①と②の少ないほうで47,000円とするというように決めるのが一般的です。

社長
運用で増えた場合には増えた分も返還しろとは言えないよね

DC先生
その場合には掛金相当額だけ返還するよう決められます

給与減額した制度設計にはなじまない

社長
これ、給与減額を伴う選択制の場合は?

DC先生
事業主返還ルールは設けないのが一般的ですね

給与減額を伴う選択制確定拠出年金の場合は、そもそも給与減額を伴っている部分においては事業主返還を
つけないことが一般的です。

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