中退共はDCに移行できない

 

 

こんにちは。

今回は中退共についてです。

社長
うちは中退共を考えてるんですよ

DC先生
中退共を活用している中小企業さんも多いですね

中小企業退職金共済(中退共)は中小企業が退職金を準備する方法のひとつです。

会社は確定拠出年金のように掛金をかけるだけで済みます。

掛金は全額損金算入できます。

 

社長
退職したときに少しは退職金をあげたくてね・・・

DC先生
そこは確定拠出年金にない点ですね

 

確定拠出年金は退職が支給事由ではなく、60歳などの一定年齢にならないと受け取れません。

いっぽう中退共は従業員が退職した時に支給されます。

いったん会社が受け取るしくみではなく、退職者に直接退職金が支給されるので事務手続きも面倒ではありません。

 

中小企業しか活用できない

社長
これは中小企業しか利用できないんですか?

DC先生
大企業になったら加入できないんです

 

中退共を利用できるのは中小企業だけです。

中小企業とは業種によって異なりますが、一般業種の場合、「従業員数300人以下または資本金3億円以下」という条件を満たしている必要があります。

会社が大きくなって「中小企業」でなくなった場合には続けられなくなります。

 

中小企業でなくなると確定拠出年金に移行できる

社長
もし中小企業に該当しなくなったらどうなりますか?

DC先生
確定給付企業年金(DB)や確定拠出年金(DC)に移行できます

 

中小企業に該当しなくなった場合には、資産移換してDBやDCに移行することが認められています。

 

社長
中小企業に該当しなくなった時以外に確定拠出年金に移行できないんですか?

DC先生
そうなんですよ

 

中退共をいったん活用すると、中小企業である限りは、DBやDCに資産移換を伴う移行はできません。

2018年5月に確定拠出年金法が改正され、制度移行について少し緩和されましたが、法改正で認められるようになったのは合併や会社分割等のケースです。

 

社長
え?確定拠出年金に変えられないの?

DC先生
基本的に移行できないんですよ

 

中退共は任意に確定拠出年金に制度移行することはできませんが、解約することならできます。

その場合、従業員から個別に同意を取り、その時点で「解約手当金」が従業員に支給されることとなります。

従業員にとっては現金支給になりますが、一時所得扱いになってしまうため、余計な税負担が発生する可能性があります。

 

確定拠出年金との二本立て

社長
両方活用することはできますか?

DC先生
はい、二本立ての会社もありますよ

 

中退共と確定拠出年金の二本立てもできます。

確定拠出年金を給与改定を伴う選択制にすれば会社の負担が少なくなります。

中退共で退職時に支払うこともでき、選択制DCで非課税での老後資金積立を支援できます。

 

 

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感想をいただいた人に「中小企業にとっての確定拠出年金のポイント(PDF)」をお届けします。

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